浮世絵 歌川広重 名所江戸百景 83-秋 月の岬  解説

歌川広重 名所江戸百景 月の岬  解説 名所江戸百景

歌川広重-名所江戸百景-83-秋-月の岬  解説
              

現在の住所:港区 三田・浜離宮周辺 
緯度経度 :緯度:35.6450 経度139.7510
出版   :1857年8月  年齢:61歳

観光ガイド風解説:「月の岬」
■ はじめに
歌川広重の『名所江戸百景』は、江戸の四季や名所を鮮やかに描き出した全119図からなる大作です。
その中の一枚「月の岬」は、隅田川下流の風光明媚な場所を舞台にしています。
江戸の人々は月を愛でる風習を持ち、特に秋の名月は観月の行事として親しまれています。
この作品は、川辺に突き出した岬から眺める月景を背景に、人々の生活と自然の調和を描いた情緒豊かな一枚です。

■ 月の岬とは
「月の岬」とは、現在の東京都墨田区・江東区周辺、隅田川下流域にあった岬の呼称と考えられています。
正確な位置には諸説ありますが、江戸後期の地誌には「観月の名所」として紹介されており、川辺から美しい月の出を望むことができる景勝地でした。
岬の先端から川面に映る月を眺める風情が格別だったことから「月の岬」と呼ばれるようになったと伝わります。
江戸の人々にとって、月は和歌や俳句、浮世絵などの題材として欠かせない存在でした。

■ 絵の見どころ
宴会の名残がそこかしこに見える。
遊女の姿が行灯と月明かりで障子に映りここは月見の名所で知られていた「月の岬」です。
通常「月の岬」というと、芝田町西側の三田台地が知られます。
しかし、『絵本江戸土産』では「高輪の月の岬」の題名で月の名所であることが書かれています。
広重は「月の岬」で品川のあたりを描いているつもりだと受け取れます。ただ、八ツ山には、このような茶屋はなかったようなので、八ツ山付近の有名な妓楼、土蔵相模を舞台としたのではないかとの説もあります。

宴会場には、煙草入れ、煙草盆、行灯、刺身、杯洗、徳利、箸等多数準備されています。

■ 現代の「月の岬」を歩く
現在、正確な「月の岬」の場所は失われていますが、墨田川沿いを歩けば広重が描いたような川辺の景色を楽しむことができます。
特に隅田公園や浅草周辺は観月スポットとして人気があります。

東京スカイツリーを背景にした隅田川の夜景は、現代版「月の岬」ともいえるでしょう。
川面に映る月や夜景を眺めれば、江戸時代の人々と同じ気持ちで自然を愛でることができます。

屋形船でのクルーズは現代でも楽しめる江戸文化体験のひとつです。料理や酒を味わいながら川面に浮かぶ月や夜景を眺めるのは、まさに「月の岬」の再現といえます。

■ 観光ガイドのおすすめポイント
①隅田川テラス散策
両国から浅草にかけて整備された川沿いの遊歩道は、夕暮れから夜にかけて散策するのに最適です。

②屋形船体験
江戸の観月文化をそのまま現代に味わえるアクティビティです。
川面に映る月や夜景を楽しみながら、広重の浮世絵を思い浮かべてみてください。

➂秋の観月イベント
隅田川周辺や浅草寺では、中秋の名月に合わせて観月イベントが行われることもあります。

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