浮世絵 歌川広重 名所江戸百景 99-冬 両国花火  解説

歌川広重 名所江戸百景 両国花火  解説 名所江戸百景

歌川広重-名所江戸百景-99-冬-両国花火  解説
              
現在の住所:墨田区 両国(隅田川花火場) 
緯度経度 :緯度:35.6978 経度139.7967
出版   :1858年8月  年齢:62歳

観光ガイド風解説:「両国花火」
■はじめに
江戸の夏といえば「隅田川の花火」。現代の「隅田川花火大会」にも連なるその伝統を、歌川広重は『名所江戸百景』の一図「両国花火」に鮮やかに描き残しました。
夜空に打ち上がる花火と川を埋め尽くすほどの舟、そして川辺の人々の賑わい。
まさに江戸の夏の風物詩を一枚に凝縮した作品です。
両国は江戸随一の娯楽エリアであり、花火見物は庶民にとって夏の一大イベントでした。
広重の描く「両国花火」は、当時の江戸っ子たちの熱気と喜びを現代に伝える「江戸の夏の原風景」といえます。

■両国とは
両国は隅田川に架かる両国橋周辺を指し、現在の東京都墨田区両国・中央区東日本橋あたりです。
17世紀後半以降、隅田川の花火や水茶屋、芝居小屋、相撲などが集中し、庶民の行楽地として大いに賑わいました。
まさに「江戸の遊興の中心地」でした。
花火大会は、1733年徳川吉宗が疫病退散と水神祭を兼ねて「川開き」を行ったのが始まりです。
以降、両国の夏の風物詩として定着しました。

■花火大会の特徴
毎年5月28日に行われる「川開き」では、隅田川一帯が人々で埋め尽くされました。
舟遊びをする者、橋の上に集まる者、川岸で飲食を楽しむ者…。
江戸最大級の行楽イベントでした。
江戸の花火といえば有名なのが「鍵屋」と「玉屋」という二大花火師です。
観客は「たまやー!」「かぎやー!」と声を張り上げ、花火が上がるたびに歓声が響き渡りました。
花火見物の主役は「屋形船」です。
裕福な町人や大名、さらには庶民も銭を出し合って乗り込み、飲食しながら花火を楽しみました。

■絵のみどころ
両国橋を挟んで上流で玉屋、下流で鍵屋が競って花火を上げました。
1732年に畿内以西を中心に襲った凶作のため、十六万人以上の飢餓者が出ました。
江戸ではコレラが発生して多くの死者を出しました。
このような不慮の死を弔うために幕府は両国橋の袂で水神祭を行いました。
その行事の一つとして花火が上げられ、以後毎年行われる行事となりました。

隅田川上流から両国橋を俯瞰している場面です。
橋上には花火見物をする人々が多数います。
川面には屋形船、屋根舟、猪牙舟などの納涼船です。
そのほか酒や鮨、果物を売るウロウロ舟が浮かんでいます。
なお玉屋は1843年に出火が原因で江戸所払いとなりました。

■現代の隅田川花火大会とのつながり
戦争や都市化で一時途絶えた両国花火ですが、1978年に「隅田川花火大会」として復活しました。
現在は東京の夏を代表するイベントとなっています。
現代では安全上、観客は川岸からの見物が中心ですが、舟遊びも健在です。
屋形船に乗って花火を楽しむスタイルは江戸から続く伝統です。

■観光ガイドおすすめポイント
①両国国技館
江戸の文化や相撲と合わせて楽しむと理解が深まります。

②屋形船体験
現代でも両国・浅草から屋形船に乗り、隅田川の夜景や花火を楽しめます。
江戸時代の雰囲気を追体験できる貴重な体験です。

③花火大会の現場へ
毎年7月下旬に開催される隅田川花火大会です。
広重の絵と照らし合わせながら鑑賞すれば、江戸と現代がつながる感覚を味わえます。

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