歌川広重-名所江戸百景-67-夏-外桜田弁慶堀糀町 解説

歌川広重 名所江戸百景 外桜田弁慶堀糀町 解説 名所江戸百景

歌川広重-名所江戸百景-67-夏-外桜田弁慶堀糀町
              

現在の住所:千代田区 外桜田門付近 
緯度経度 :緯度:35.6760 経度139.7488
出版   :1856年5月   年齢:60歳

観光ガイド風解説:「外桜田弁慶堀糀町」
■ はじめに
歌川広重の『名所江戸百景』は、江戸の町の風物詩や景勝を四季折々に描き出した全119図の大作シリーズです。
その中でも「外桜田弁慶堀糀町」は、江戸城外堀の一角をテーマにした作品です。
武家地と町人地が入り混じるエリアで、幕府の政治の中心地に近い場所でありながら、日常的な風景が広がるスポットでした。
広重は、この外桜田門周辺を流れる弁慶堀と、糀町と呼ばれた地域のにぎわいを組み合わせ、江戸の表玄関にふさわしい光景を描き出しています。

■ 外桜田と弁慶堀
「外桜田」とは、江戸城の南側、桜田門の外側に広がる一帯を指します。
現在の千代田区・霞が関から港区虎ノ門あたりにかけての地域で、幕府の役所や武家屋敷が並ぶ、江戸の中枢でした。

その外桜田を潤していたのが「弁慶堀」です。
江戸城を守るために築かれた堀のひとつで、深い水をたたえ、周囲の石垣とあいまって重厚な景観を作り出していました。
春には桜が咲き誇り、水面に花びらが映る様子は庶民にも人気の観賞スポットだったと伝わります。

■ 糀町とは
「糀町」は、現在の千代田区麹町(半蔵門・四ツ谷周辺)にあたる地域です。
江戸時代には町人の居住地として栄え、糀や味噌などの醸造業に由来する町名が残りました。
幕府の役所や武家屋敷に隣接しながらも、市井の活気ある暮らしが展開されていました。

広重がこの図で描いたのは、政治と日常、武家と町人、厳粛さとにぎわいが交差するエリアであり、江戸の多面的な姿を象徴する場といえます。

■ 絵の見どころ
江戸城桜田御門の外側、外桜田を描く。
このあたりには名だたる大名屋敷が並んでいます。
左の赤門は彦根藩主井伊家です。右奥の火の見櫓は田原藩主三宅家の上屋敷です。
井伊家前には名水つるべ「桜が井」と呼ばれる井戸が、三つの釣瓶で表現されています。
この界隈にはもう一つ、堀沿いの二ヶ所の辻番所のうち遠い方の番所の下にも井戸がありました。
「柳の井」の名にふさわしく、番所下の土手では柳が枝を揺らしています。
広重は『絵本江戸土産』でこの堀を弁慶堀としています。
実際の弁慶堀はここより西の赤坂御門から喰違の堀にありました。

■ 現代の外桜田・弁慶堀を歩く
弁慶堀は、桜田門や日比谷公園周辺にその名残をとどめています。
特に桜田濠や半蔵濠と並んで、江戸城外堀の歴史を感じさせる名所です。
春には桜が咲き、江戸の頃と変わらぬ景観を楽しむことができます。

糀町の地名は「麹町」として現存しており、今も千代田区の地名として残っています。
オフィス街の中にも江戸期から続く町並みの面影を感じることができます。

■ 観光ガイドのおすすめポイント

①桜田門(重要文化財)
江戸城の名門のひとつで、現在も重厚な石垣と門が残されています。
広重が描いた風景を最も強く感じられる場所です。

②弁慶濠の遊歩道
半蔵門から桜田門にかけての外堀沿いは散策コースとして人気です。
四季折々の自然と歴史的景観が融合しています。

③麹町界隈の散策
現在はオフィス街ながら、歴史を伝える石碑や旧跡が点在しています。

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