
歌川広重-名所江戸百景-66-夏-糀町一丁目山王祭ねり込
現在の住所:千代田区 麹町
緯度経度 :緯度:35.6813 経度139.7376
出版 :1856年7月 年齢:60歳
観光ガイド風解説:「糀町一丁目山王祭ねり込」
■ はじめに
歌川広重の『名所江戸百景』は、江戸の景観や人々の暮らしを四季を通じて描いた大作です。
その中で「糀町一丁目山王祭ねり込」は、江戸三大祭のひとつに数えられた日枝神社(山王権現)の祭礼を描いた作品です。
江戸城下の町人や武家、さらには将軍家までも巻き込んだ山王祭は、天下祭と称されるほどの大規模な行事であり、庶民にとっても一年の大きな楽しみでした。
広重はこの祭りのにぎわいを、町の通りを練り歩く神輿や山車、群衆の様子を活写しています。
■ 山王祭とは
山王祭は江戸城の鎮守である日枝神社の祭礼で、もうひとつの天下祭「神田祭」と並び称されました。
とりわけ隔年で行われる本祭りは、山車の行列が江戸城中に入御し、将軍が上覧するという格式高い行事でした。
糀町は江戸城のすぐ外側に位置し、祭礼行列が通る主要な舞台でした。
町人や武家屋敷の前を華やかに練り歩く山車の姿は、まさに江戸の繁栄を象徴する光景でした。
■ 絵の見どころ
糀町一丁目は桜田掘の半蔵御門から伸びる道筋にあたり、御門に最も近い町でした。
近景に大きく描く大胆な構図を用いて、神田明神祭と交代で隔年の六月十五日に行われた日吉山王権現社の祭礼、 山王祭の様子を描いています。
左手前は、太鼓の上で羽根を広げる伝説上の雄鶏諫鼓鳥を象った大伝馬町の山車です。
奥は山王の山の使いである猿を象った南伝馬町の猿の山車です。
各山車には花笠を被った各町の氏子が付いて行列をつくりました。
権現社まで練り歩いた一行は桜田堀沿いに練り歩きました。
糀町一丁目から右奥の半蔵御門にさしかかったところで、これから将軍の御覧に供するため江戸城内へと進みます。
神田明神祭同様天下祭と称されるのはこのためです。
手前のお堀が桜田堀になります。
■ 現代の山王祭
「日枝神社 山王祭」として毎年6月に行われています。
特に隔年で行われる本祭りでは、数百メートルにもおよぶ行列が練り歩きます。
赤坂や日本橋、大手町などを練り歩き、江戸の伝統を今に伝えています。
糀町の風景は高層ビルやオフィス街に変わりました。
行列の一部は今も千代田区の街を通り抜け、江戸と現代が交錯する時間を味わうことができます。
■ 観光ガイドのおすすめポイント
①日枝神社参拝
赤坂に鎮座する日枝神社は、山王祭の中心地です。
緑豊かな境内で、江戸から続く信仰と祭礼の歴史に触れることができます。
②山王祭の見学
隔年の本祭りでは、豪華な神輿や山車が都心を巡行します。
浮世絵に描かれた熱気を現代でも体感できる絶好の機会です。
③麹町・永田町エリアの散策
現代の糀町はオフィス街ですが、通り沿いには古い町名の痕跡や碑が残っています。

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