
歌川広重-名所江戸百景-58-夏-亀戸天神境内 解説
現在の住所:江東区亀戸3丁目 亀戸天神境内
緯度経度 :緯度:35.7100 経度139.8263
出版 :1857年8月 年齢:61歳
解説
<1> はじめに
「亀戸天神境内」は、江戸随一の梅と藤の名所として名高い亀戸天神社を舞台にしています。
天神様を祀るこの神社は、学問の神・菅原道真公を祀り、江戸っ子にとっては「受験合格」や「学業成就」の祈願だけでなく、四季折々の花を楽しむ風雅な行楽地でもありました。
その境内の様子を、訪れる参詣人や華やかな花木とともに描き、江戸庶民の信仰と娯楽が交差する空間を見事に表現しています。
<2> 亀戸天神とは
1646年九州・太宰府天満宮を深く信仰する僧・天穏和尚が、この地に分霊を勧請し、神社を建立しました。
当初は「亀戸天満宮」とも呼ばれましたが、庶民の間では「亀戸天神」と親しまれてきました。
菅原道真公を祀り、学問の神として多くの参拝者を集めました。
江戸時代には寺子屋や学者たちも参拝に訪れ、信仰は庶民から武士にまで広がりました。
亀戸天神は「梅」と「藤」で特に有名です。
境内には多くの梅が植えられ、春には香り立つ梅の花が参拝者を迎えます。
さらに5月には藤棚が境内を彩り、その美しさは「亀戸の藤」として江戸中に知られるようになりました。
<3> 絵の見どころ
亀戸天神社は、亀戸の天神さまの愛称で親しまれてきました。
社伝では1646年に太宰府天満宮の神主大鳥居信祐が霊夢を得て菅原道真の像を神木「飛梅」で彫り、江戸に下って亀戸村に小祀を建てたのがはじまりです。
神社の境内は太宰府天満宮の社殿、心字池、太鼓橋、桜門などを模写して造営され、江戸で一番大きな天満宮です。
参詣者が多く門前には料理屋、茶屋などが軒を並べています。
近景は藤棚、心字池、松と三羽の燕です。
中景は池に架かる太鼓橋(反橋)です。
遠景は、この橋の下から見える対岸の縁台で涼みながら藤棚を楽しんでいる人々が描かれています。
<4> 現代の亀戸天神
2月から3月にかけて「梅まつり」が開催されます。境内を白梅や紅梅が彩ります。
4月下旬から5月にかけて「藤まつり」が開催されます。
藤棚から垂れる花房が池に映り、その幻想的な美しさは江戸の昔から変わらぬ人気です。
夜にはライトアップも行われ、より幻想的な雰囲気に包まれます。
JR総武線「亀戸駅」から徒歩15分ほどです。
スカイツリーを望む立地で、下町散策と組み合わせて楽しめます。
<5> 観光ガイド
①太鼓橋と心字池の眺め
境内の中心にある太鼓橋は、池と藤棚を背景に絶好の撮影スポット。広重の浮世絵そのままの構図を楽しめます。
②梅・藤の花見
季節ごとに違う花を楽しめるのが亀戸天神の魅力です。
春は梅、初夏は藤、秋には紅葉も美しい景観を作り出します。
➂下町散策との組み合わせ
亀戸天神の参拝と合わせて、亀戸餃子やくず餅などの下町グルメを楽しむのもおすすめです。

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