葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の「相州梅沢左」について説明する。
この浮世絵の梅沢は、現在の神奈川県中郡二の宮の庄にある。押切川のほとりで富士が眺められる場所である。
「梅沢左」とあるが「梅沢庄」または「梅澤在」が正しいと思われる。
梅沢は大磯宿と小田原宿の間にあった休憩所として賑わっていた。
山深い地で、大きくそびえる富士には霞がかかり、一軒の人家すらない。
この浮世絵の構図は、左右に配置された雲、水辺に寄り添う4羽の丹頂鶴は、その羽毛の描写がみごとである。
富士に向かって悠然と飛ぶ2羽の鶴は、蓬莱山図など縁起のよい吉祥図を想起させる。
この浮世絵は当時人気のあった顔料のベロ藍を基調に仕上げた藍摺りの作品である。
現在の二宮町では梅沢海岸が有名です。梅沢海岸は、浜まで直で車で来ることが出来るから人が集まりやすい。
トイレや水洗い場があり、海のレジャーを楽しめる環境が整っている。
駅からも徒歩15分。色々なイベントも行われ、気軽に来ることが出来て、バーベキューや釣りを楽しむ事が出来る場所である。
この浮世絵は1830年から1832年頃の作品である。北斎の年齢が72歳頃になる。
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