相州江の嶌

浮世絵

葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の「相州江の嶌」について説明する。

この浮世絵の江の島はは、神奈川県藤沢市に位置する。
江戸時代も人気の観光名所である。
神奈川県指定史跡・名勝、日本百景の地である。

当時は干潮時に現れた砂州を歩いて江の島へ渡っていた。現在は橋が架かっている。
干潮時の限られた時間の中で江の島の弁財天詣でに急ぐ人々の動きが伝わってくる。

江ノ島弁天の江島神社上之宮の塔が顔を出している。渡った先には大きな石灯籠が見え、そこが参道の入口である。

両岸の茶店や家並みが細かく描かれている。島の周囲の海面は波一つなく穏やかである。

江の島は対象的に砂州の両側に寄せる波の点描表現が浮世絵として効果的である。
建物の屋根、帆船、富士山の形と様々な三角形があふれている。

現在の江ノ島は、1959年藤沢市は米国マイアミビーチ市と姉妹都市提携を結んだ。
「東洋のマイアミビーチ」という触れ込みで江の島・片瀬・鵠沼地区の観光開発に力を入れる。
この年、江ノ島鎌倉観光は日本初の野外エスカレータ「江の島エスカー」を建設した。

1964年の東京オリンピックが観光客数のピークで、以後は減少する。

この浮世絵は1830年から1832年頃の作品である。北斎の年齢が72歳頃になる。

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