
歌川広重-名所江戸百景-107-冬-深川木場 解説
現在の住所:江東区 木場
緯度経度 :緯度:35.6699 経度:139.8134
出版 :1856年8月 年齢:60歳
観光ガイド風解説:「深川木場」
■はじめに
歌川広重の『名所江戸百景』は、江戸の四季と庶民の暮らしを鮮やかに切り取った浮世絵シリーズです。
その中の「深川木場」は、江戸の発展を支えた材木の集積地・深川を描いた一図です。
江戸の大工・建築文化に不可欠な木材を供給する場所です。
浮世絵の中では水辺に浮かぶ材木と人々の姿が生き生きと描かれ、活気ある港町の雰囲気が伝わってきます。
■深川木場とは
深川木場は現在の江東区木場付近にあたり、江戸時代には隅田川の河口近くに広がる広大な材木置き場でした。
各地から筏(いかだ)で運ばれてきた材木がここに集められ、江戸市中へと供給されていました。
もともとは日本橋川沿いにあった材木置き場が火災の危険から移転され、17世紀後半以降に深川へと集約されました。
以降、深川木場は「江戸の大工を支える心臓部」となり、江戸城の普請や庶民の町屋の建築まで、江戸の木材需要を一手に担いました。
材木商や大工職人が集まる活気あふれる町で、力仕事に従事する木場の職人は「木場の鯰(なまず)」と呼ばれるほど逞しく、江戸の庶民文化の一角を担いました。
■絵の見どころ
材木問屋が立ち並ぶ一角です。
初めはそれぞれ江戸城近辺などに店を構えていました。
防火のために幕府の命に従いこの埋立地である深川にまとまって移転しました。
よって深川の材木置場、「深川木場」との名称がつきました。
木材を運搬するため縦横に堀が巡らされ、ここで川並(かわなみ)と呼ばれた労働者たちが自在に木材を扱う様子が見られます。
火事の多かった江戸では木材の需要も高く、材木商たちは巨富を築きました。
この木場に自身の大邸宅を構えています。
手前の雪中を行く人物の番傘には版元の魚屋栄吉を示す「魚」の字が入っています。
■現代の深川木場
木場の跡地は「木場公園」として整備され、広大な緑地が市民の憩いの場となっています。
材木の集積地だった名残を伝える「木場」という地名は今も残ります。
深川江戸資料館や木場親水公園などで、かつての木場の歴史や材木流通の仕組みを学ぶことができます。
■観光ガイドのおすすめポイント
①木場公園で散策
広大な敷地をのんびり歩きながら、かつてここに材木が並んでいた風景を想像してみてください。春は桜、秋は紅葉も楽しめます。
②深川江戸資料館
江戸の町並みを再現した展示で、木場の人々の暮らしぶりを知ることができます。
浮世絵と見比べながら歩くと理解が深まります。
➂深川めしを味わう
力仕事の職人を支えた郷土料理「深川めし」は、今も名物です。
深川めしはあさりの炊き込みご飯です。

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