浮世絵 歌川広重 名所江戸百景 102-冬 浅草田甫酉の町詣  解説

歌川広重 名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣  解説 名所江戸百景

歌川広重-名所江戸百景-102-冬-浅草田甫酉の町詣  解説
              
現在の住所:台東区 浅草 鷲神社 
緯度経度 :緯度:35.7109 経度139.7976
出版   :1857年11月  年齢:61歳

観光ガイド風解説:「浅草田甫酉の町詣」
■はじめに
歌川広重の『名所江戸百景』は、江戸の四季を題材に、風景や人々の営みを活写した全119図の大作です。
その中でも「浅草田甫酉の町詣」は、江戸庶民の信仰と娯楽が融合した風景を描いた一枚です。
浅草の大鳥神社で行われる「酉の市」へと参拝する人々を描いています。
現代の私たちにも馴染み深い年中行事「酉の市」の歴史的原点を知ることができる作品です。

■酉の市とは
酉の市は、毎年11月の酉の日に行われる祭礼で、浅草の大鳥神社がその発祥とされています。
もともとは日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀る行事であり、武運長久や商売繁盛を願うものとして広がりました。
江戸庶民にとって酉の市は「年の瀬の風物詩」です。
大鳥神社や長國寺の境内には露店が並び、豪華な熊手が売られ、人々は来年の幸運を願って競うように買い求めます。

■絵のみどころ
吉原妓楼の二階から西を望んでいます。
一緒になって外を見る猫が愛らしい。
 富士山の上空に群れを成して飛ぶ雁が多数います。
赤く染まる地平線際の空から、夕刻を知られています。

田んぼの真ん中をよく見れば、多くの人が黒い列を成している。
彼らは、吉原の西方に位置する鷲大明神社が毎年十一月西の日に行う祭「西の町」に訪れています。
行列が手に持つのは熊手です。
鷲大明神社は描かれず、列の延長上にあたる画面右外に鎮座しているはずである。
この日は吉原にとっても紋日と呼ばれる特別な祝日とされます。

部屋の中、左端に描かれた黒い筋は屏風で、裏面には鳥襷紋が描かれています。
畳の上には熊手型の簪が四本置かれています。
酉の町にでた客からの土産と思われます。

■現代の酉の市
現在も台東区浅草の鷲神社で大規模な酉の市が行われ、毎年数十万人が訪れる人気行事となっています。
新宿歌舞伎町近くの花園神社でも酉の市が盛大に行われ、境内は熊手や屋台で埋め尽くされます。
現在の熊手は豪華絢爛で、商売繁盛だけでなく家庭円満や健康祈願など、多彩な願いを込めた装飾が施されています。
広重の時代と同じく、熊手を持ち帰る人々の姿は年末の風物詩です。

■観光ガイドおすすめポイント
①浅草観光とセットで
浅草寺や仲見世通りと合わせて酉の市の会場を訪れれば、江戸から続く信仰と賑わいを一度に楽しめます。

②熊手市を体験
実際に熊手を購入する体験はおすすめです。
値切り交渉の末に「手締め」で締める独特の儀式も、参加すると臨場感たっぷりです。

③江戸文化の再現
夜の提灯や屋台の明かりに包まれる酉の市は、江戸時代の情緒を現代に伝える「生きた文化財」といえます。

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