
歌川広重-名所江戸百景-95-秋-真間の紅葉 手古那の社継はし 解説
現在の住所:市川市 真間山弘法寺周辺
緯度経度 :緯度:35.7235 経度139.9185
出版 :1857年1月 年齢:61歳
観光ガイド風解説:「真間の紅葉 手古那の社継はし」
■ はじめに
歌川広重の『名所江戸百景』は、江戸からその周辺に広がる風景や四季の彩りを描いた浮世絵の傑作シリーズです。
その中で「真間(まま)の紅葉 手古那の社継はし」は、江戸から東へ足を延ばした市川の地を舞台にしています。
市川真間(現・千葉県市川市)は、古来より歌枕として多くの和歌に詠まれ、特に「手古那(てこな)姫伝説」で知られる由緒深い土地です。
広重は、この地を訪れる人々が憩いを求めた紅葉の名所として描きつつ、伝承と自然、そして庶民の行楽を一つの画面に収めました。
江戸近郊にありながら歴史と伝説を色濃く残す市川真間の魅力を、この作品からたどっていきましょう。
■ 真間と手古那の社について
「真間」は古くから地名として歌枕に登場する場所です。
『万葉集』にも「真間の手古奈」と詠まれるほどの古代からの名所です。
真間川に沿って広がる地で、古来より風光明媚な景観を誇りました。
手古那姫の伝説では、手古那姫はこの地に伝わる伝説の美女です。
『古今和歌集』や『万葉集』では、手古那は美しさゆえに多くの男性に求婚されました。
その煩わしさを逃れるために真間の入江に身を投げたと伝えられています。
その悲劇的な物語は後世の人々の心を打ち、真間は「哀れを誘う地」として文学や絵画に描かれてきました。
この伝説に基づき、真間には「手古那社」が建立されました。
広重が描いたのも、この手古那社の境内とその周辺の紅葉景観です。
秋には真間川沿いに紅葉が色づき、手古那姫の悲話と相まって、旅人に深い感慨を与えています。
■ 絵の見どころ
真間は、江戸の範囲を定めた朱引内よりはるか東で、 下総国を流れる江戸川の東岸に位置します。
万葉集の時代から知られる名所です。
古来よりかえでの名所としても有名です。
真間の小川に架かる継橋などは江戸時代にも俳諧や和歌に詠われています。
広重は高台にある弘法寺境内のかえでを最も近景に描いています。
下に広がる景観の中央に描かれている小橋が継橋です。
左の鳥居と社が手児奈の社です。
■ 現代に残る真間と手古那社
現在も市川市真間には「真間山弘法寺」があり、周辺は桜や紅葉の名所として知られています。
特に秋は紅葉が鮮やかに色づき、浮世絵の世界を彷彿とさせます。
「手古那の社」そのものは弘法寺境内に「手児奈霊神堂」として現存しています。
訪れる人々は今もなお手を合わせ、手古那姫の伝説に思いを馳せています。
弘法寺の境内や真間川沿いは、秋になると美しい紅葉が訪れる人々を迎えてくれます。
■ 観光ガイドのおすすめポイント
①手児奈霊神堂参拝
手古那姫の伝説を今に伝える霊神堂を訪れ、浮世絵の舞台を直に感じましょう。
②真間川沿いの紅葉散策
秋の紅葉シーズンには、川沿いの遊歩道を歩きながら、広重が描いた情景を味わうのがおすすめです。
➂弘法寺と市川の街歩き
真間山弘法寺は桜や紅葉の名所であり、浮世絵と重ね合わせながら歴史的な街並みを楽しめます。

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