
歌川広重-名所江戸百景-35-春-隅田川水神の森真崎 解説
現在の住所:墨田区堤通2丁目 隅田川神社
緯度経度 :緯度35.7208:経度139.8129
出版 :1856年8月 年齢:60歳
解説
<1> はじめに
「隅田川水神の森真崎」は、隅田川下流域の情緒豊かな景観を表現しました。
川の流れと森の緑、遠景の真崎の岬が調和します。
江戸市民にとって憩いの場であり、また水辺信仰の象徴でもあった風景です。
<2>水神の森と真崎とは
現在の東京都墨田区東駒形あたりにあった森で、隅田川の東岸に広がっています。
森の中には「水神社」が鎮座し、水運の安全を願う人々の信仰を集めました。
水神は川や水辺を司る神で、洪水や水害を防ぎ、舟の安全を守る存在として厚く信仰されました。
森は川風が心地よく、茶屋も点在していたため、行楽地としても人気がありました。
「真崎」は隅田川が大きく湾曲する地点に突き出た岬状の地形を指します。
川に張り出した真崎からは、隅田川の流れや行き交う舟が一望でき、江戸の代表的な眺望地でした。
春の桜や夏の川遊び、秋の紅葉狩りなど、四季折々に多くの市民が訪れました。
<3> 絵の見どころ
前景に隅田堤の桜、畦道を行く人は真崎渡しの橋場に行くところです。
中景には水神の森の鳥居、灯籠と隅田川を挟んで対岸は真崎です。
遠景には筑波山が描かれている。
広重の得意とする「斜めの視線」が効果的に使われています。
水面には涼風が吹き渡り、江戸の水辺文化を象徴する穏やかな情景が描かれています。
隅田川の上流隅田堤の先に、隅田川の総鎮守水神社があります。
ここは小さな丘になっていたために川が増水すると浮島のようになります。
水没することはありませんでした。
水神社は隅田川神社、浮島神社ともいいます。
源頼朝が川を渡った時に水神の霊を感じてこの地に社を建立したのがはじまりです。
御神体は竜神で、隅田川を利用している船主の信徒が多く水神講を組んでいました。
前景に隅田堤の桜、畦道を行く人は真崎渡しの橋場に行くところです。
中景には水神の森の鳥居、灯籠と隅田川を挟んで対岸は真崎です。
遠景には筑波山が描かれている。
<4>江戸庶民とこの風景
人々は水神社に参拝して川の安全を祈る一方で、茶屋で涼み、舟遊びを楽しみました。
隅田川は江戸の物流を支える大動脈です。
水神の森周辺は、川を行き交う舟の休憩地としても利用されました。
隅田川を題材にした俳句や和歌も多く詠まれ、文人墨客にとっても発想を育てる場所でした。
<5>現代の面影
現在も墨田区東駒形に「水神社」が残り、広重が描いた風景の記憶を伝えています。
近代的な橋や高層ビルが立ち並ぶ一方で、川辺を散策すれば江戸時代の水辺の空気を想像できます。
真崎の痕跡の地形は都市化により変化しました。
隅田川テラスや堤防沿いを歩けば、その名残を感じ取ることができます。
<6>観光ガイド
①墨田区東駒形・水神社参拝
広重の絵の舞台を現地で体感できます。
②隅田川テラス散策
隅田川に沿って整備された遊歩道を歩けば、江戸時代の川景色を重ね合わせることができます。
➂浅草観光と組み合わせ
水神の森は浅草から近く、雷門や浅草寺とあわせて楽しめます。

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