
歌川広重-名所江戸百景-63-夏- 八ツ見のはしの解説
現在の住所:中央区八丁堀(「八丁堀交差点」付近、亀島川に架かっていた橋)
緯度経度 :緯度:35.6748 経度139.7786
出版 :1857年5月 年齢:61歳
解説
観光ガイド風解説:「八ツ見のはし」
■ はじめに
歌川広重の『名所江戸百景』は、江戸の名所や人々の暮らしを四季折々に描いた全119図の大作です。
江戸の姿を現代に伝える貴重なビジュアルアーカイブです。
その中で「八ツ見のはし」は、夏の章に収められた一枚です。
江戸が“水の都”であったことを象徴する景観が描かれています。
名前の由来は、この地に立つと「八つの橋」が見渡せたからです。
川が複雑に交わる江戸ならではの光景です。
人々はこれを一つの観光名所として楽しみました。
■ 八ツ見のはしとは
八ツ見のはしは、神田川と日本橋川の合流点付近にあった橋です。
江戸の物流と交通の要衝でした。
この一帯は川幅も広く、さまざまな橋が交差するため、ある橋に立つと複数の橋が一度に視界に収まるという珍しい景観が生まれました。
江戸時代の人々は、「いくつ見えるかな?」と数えることを楽しみ、名前通り八つの橋が見えることから「八ツ見のはし」と呼ばれるようになったと伝わります。
橋は単なる交通インフラではなく、娯楽や行楽の舞台でもありました。
■ 絵の見どころ
正式名称は一石橋といいます。
橋の名は、袂の北側に金座の後藤の店、南側には呉服商の後藤の店がありました。
後藤(五斗)が二つで一石ということからでたといいます。
この橋は別名ハツ見橋といい川の十字路の東側に架かかります。
中央に立つと東西の川に架かる銭瓶橋、道三橋、常磐橋、呉服橋、鍛冶橋、日本橋、江戸橋の七橋です。
一石橋を入れて全部で八つの橋が見えることによります。
前景に一石橋の欄干と傘が二つ見えます。
橋の袂の柳が青々と葉を茂らせています。
空には二羽の燕を描いて夏の季節感を出しています。
その先の道三堀に架かるのが銭瓶橋です。
南側の屋敷は館林藩主秋元但馬守の上屋敷です。
川の中央に四ッ手網で漁をする舟や茶船が見えます。
中景に江戸城、遠景に富士山が描かれています。
■ 現代の八ツ見のはしを歩く
「八ツ見のはし」があった場所は、千代田区岩本町から中央区日本橋本石町周辺にあたります。
再開発によって当時の景観は失われています。
神田川と日本橋川が合流する地形は今も残っており、川沿いを歩けば水都・江戸の名残を感じることができます。
■ 観光ガイドのおすすめポイント
①日本橋観光の延長で訪れる
日本橋から徒歩圏内にあり、江戸の水運拠点をつなぐルートとして散策に最適です。
②橋めぐりクルーズに参加
船に乗れば「八ツ見のはし」が名所とされた理由を体感できます。
いくつの橋を一度に見渡せるので、江戸っ子気分を楽しみましょう。
③史跡散策とグルメ
周辺には老舗の飲食店や商家跡が点在しています。
川沿いの歴史散歩の後は、江戸の味を楽しむのもおすすめです。


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