
歌川広重-名所江戸百景-52-夏-深川萬年橋 解説
現在の住所:江東区常盤橋1丁目 万年橋
緯度経度 :緯度35.6668:経度139.7866
出版 :1857年7月 年齢:61歳
解説
<1> はじめに
「深川萬年橋」は、江戸の下町情緒と隅田川水運の活気を象徴する一枚です。
橋越しに広がる大川の眺望と、橋の上を行き交う庶民の姿が、江戸らしい賑やかな生活を伝えています。
萬年橋は深川と本所を結ぶ重要な交通路であす。
<2>深川萬年橋とは
萬年橋は、隅田川に架けられた橋の一つです。
寛永年間に整備されました。
その名は「千年も萬年も長く続くように」という吉祥の意味を込めたものです。
江戸庶民にとって、隅田川は生活の大動脈であり、その橋は「江戸をつなぐ架け橋」でした。
萬年橋は深川と本所を結びました。
深川は漁師町や寺社の多い下町情緒に溢れています。
本所は武家屋敷や職人の町として発展しました。
萬年橋は、そうした町々を結び、人々の交流を生み出した場所でした。
<3> 絵の見どころ
橋を画面の大きなアーチとして構図に据えています。
川面の広がりを大胆に描き出しています。
橋の下を往来する大小の船は、江戸の水運の賑わいを物語ります。
米や材木を運ぶ船、行楽に出かける屋形船など、川はまさに「江戸の高速道路」です。
手前に大きく描かれたこの亀が印象的です。
江戸時代、八月十五日には捕らえられた鳥や魚などを山川に放して死者の冥福と自身の後世を祈る放生会が各神社仏閣で行われていました。
「放し亀」「放し鳥」という商売にする者がいました。
多くは橋番などが兼業としていたらしいです。
なんとものんびりとした商売が成り立っていたものです。
この亀が売られているのは小名木川と隅田川に合流する手前に架けられた萬年橋です。
万年も生きるという亀と橋名がかけられています。
萬年橋の欄干と亀がつり下げられた桶を枠として、近景の亀と遠景の富士をともに中心に持ってくるという意表をつく構図です。
<4> 現代の萬年橋を歩く
現在の萬年橋は鉄橋として再建されました。
江東区常盤と墨田区横川を結んでいます。
橋上からの眺望は広重の時代と大きく変わりました。
隅田川の大きな流れは今も変わりません。
遠くにスカイツリーがそびえ立ち、江戸と東京の景色が重なり合います。
橋の周辺には、深川江戸資料館や清澄庭園など、江戸文化を体験できる場所が点在します。
<5> 観光ガイド
①深川江戸資料館
江戸時代の町並みを実物大で復元した人気施設です。
萬年橋が描かれた頃の庶民生活を実感できます。
②清澄庭園
江戸の大名庭園の面影を残します。
静かな日本庭園です。
萬年橋から徒歩圏内にあります。
➂富岡八幡宮
深川を代表する神社です。
江戸三大祭のひとつ「深川八幡祭り」でも知られます。
萬年橋を行き交う人々の目的地のひとつでもありました。

コメント