浮世絵 歌川広重 名所江戸百景 114-冬 虎の門外あふひ坂  解説

歌川広重 名所江戸百景 虎の門外あふひ坂  解説 名所江戸百景

歌川広重-名所江戸百景-114-冬-虎の門外あふひ坂  解説
              
現在の住所:港区 虎ノ門 葵坂 
緯度経度 :緯度:35.6735 経度:139.7480
出版   :1857年11月  年齢:61歳

観光ガイド風解説:「虎の門外あふひ坂」
■はじめに
歌川広重の『名所江戸百景』は、江戸の名所や四季折々の風景を鮮やかに切り取った全119図の連作です。
その中で「虎の門外あふひ坂」は、江戸城の外堀に面した 虎ノ門の外側にある坂道を描いた作品です。
虎ノ門は江戸城の南の要所に位置し、武家屋敷や寺社が並ぶ格式ある地域でした。
広重は、この場所を日常の坂道としてではなく、江戸の都市景観の一部として、柔らかな雰囲気と遠近感を込めて描き出しました。
坂の名にある「葵(あふひ)あおい」は、徳川将軍家の家紋「三つ葉葵」に由来するといわれています。

■虎ノ門と葵坂とは
虎ノ門は、江戸城外郭門の一つで、江戸の南側を守る要衝です。
大名屋敷が立ち並び、武家社会の中心的な地域でした。
葵坂は、虎ノ門の外側から赤坂方面へと下っていく坂道で、その名は徳川家の紋章「葵」にちなみます。
江戸時代の人々は、この坂を上り下りしながら、日々の生活を送りました。

■絵の見どころ
左の坂を葵坂といいます。
坂上の大きな榎の下にある辻番所で蜀葵を植えたためこの名がついたとされています。
溜池から溢れた水が、この坂に沿って外堀に流れだしています。葵の滝と呼ばれています。
江戸城防衛のための武家屋敷のあるところです。
左は一宮藩主加納家の中屋敷です。
右の中央に明かりがついているのは、内藤能登守の上屋敷です。
夜空に星と三日月、雁が飛んでいて、寒い冬の日であることがわかります。

中央の二人は、三十日かけて、鈴を鳴らし、提灯を持って走りながら、神社や仏閣を廻る。
腕の上達を祈願する寒参りをしているところです。
左の人物の持つ提灯から、金比羅権現の帰りです。
金比羅権現は四国丸亀の京極家の上屋敷内にあって、毎月十日に一般に開放されます。

右のうどん売りに「太平しっぽく」と書かれています。

■現代の虎ノ門を歩く
虎ノ門は、現在は高層ビル群が立ち並び、江戸時代の景観は失われました。
江戸城外堀の名残を探しながら歩くと歴史の層を感じ取れます。

葵坂自体は現存しません。
虎ノ門から赤坂方面にかけての高低差を歩けば、江戸時代に人々が行き交った坂の面影を追体験できます。

■観光ガイドのおすすめポイント

①江戸城外堀跡をたどる散策
虎ノ門から溜池方面に歩けば、外堀の跡を感じる道筋があり、歴史散歩に最適です。

②虎ノ門ヒルズと歴史の対比
広重の絵を片手に、現代のビル街と江戸の坂道を比較して歩くと、時間旅行の気分を味わえます。

③赤坂方面への足のばし
近隣には日枝神社や赤坂御用地もあり、坂の歴史を知ったうえで訪れると、江戸と現代が重なり合う風景が見えてきます。

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