
歌川広重-名所江戸百景-29-春-砂むら元八まん 解説
現在の住所:江東区南砂町7丁目富賀岡八幡宮
緯度経度 :緯度35.6660:経度139.8280
出版 :1856年4月 年齢:60歳
解説
<1> はじめに
「砂むら元八まん」は、深川にあった「砂村八幡宮」、通称「元八幡」を題材としました。
広重は神社とその周辺の景観を通じて、江戸庶民の信仰と日常の風景を巧みに表現しました。
<2>砂むら元八幡とは
砂村八幡宮は、深川砂村町(現在の江東区南砂町付近)に鎮座した古社です。
もとは鎌倉時代に創建されたと伝えられ、江戸時代には「元八幡」と呼ばれて人々の厚い信仰を集めました。
「砂村」という地名は、もともと砂地の多い低湿地帯を開発したことに由来します。
住民は稲作や川漁に従事し、その守護神として八幡宮を大切に祀りました。
江戸市中からも参詣客が訪れ、特に農業や漁業、開運のご利益を求めて多くの人々で賑わいました。
<3> 絵の見どころ
堂々とした社殿が描かれています。
屋根の反りや鳥居が力強く表現され、信仰の場としての荘厳さが感じられます。
参拝に訪れた庶民の姿が点在し、江戸の人々が身近に神社に親しんでいたことを示しています。
参道を歩く人々の服装や所作から、日常の穏やかな雰囲気が伝わります。
社殿の背後には木々が茂り、周囲には水辺や田畑が広がる風景が描かれています。
神社が地域の自然環境と一体化して存在していたことを示す構図です。
遠景に房総半島を覗きます。
その下に江戸湾が配置させています。
また、その下が湿地帯でsう。
右下に元八幡の鳥居が確認できます。
<4>江戸庶民と元八幡
江戸の庶民にとって、神社への参拝は信仰と娯楽を兼ねた行事でした。
正月の初詣や祭礼の日には露店が並び、人々が集まりました。
川を渡って訪れる参詣の道のりそのものが、ちょっとした行楽になりました。
「元八幡」という呼び名は、周辺に後に建てられた「新八幡宮(富岡八幡宮)」と区別するためにつけられたものです。
<5>現代の元八幡
砂村八幡宮は現在も江東区南砂に鎮座しており、地域の鎮守として大切にされています。
境内は整備され、住宅街の中でひっそりと昔の面影を残しています。
地元の人々に親しまれる神社で、今も祭礼や初詣の参拝で賑わいます。
<6>観光ガイド
①砂町エリア散策
江戸時代の「砂村」に由来する町名が今も残る南砂・北砂地域は、下町情緒のある街歩きが楽しめます。
②富岡八幡宮との比較参詣
「元八幡」と呼ばれた砂村八幡宮と、「新八幡」とされた深川富岡八幡宮を合わせて訪ねると、江戸の八幡信仰の広がりが実感できます。
➂荒川・旧中川の水辺散策
神社周辺はかつて低湿地帯でした。
今も川や水辺の風景が残っており、ウォーキングコースとしても楽しめます。

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